JI1FGX/DU9 フィリピンミンダナオ島 アマチュア無線日記 IOTA OC-130
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WARCバンド ファンアウトアンテナの制作(2025/09/26) |
私の衛星通信の師匠DU9JJYからWARCバンドのファンアウトアンテナを作ってほしいと頼まれました
材料を揃えて今日26日に一気に作り上げました
1番上が10MHzのエレメント
2番目が18MHzのエレメント
3番目が24MHzのエレメント
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3バンド分の費用
アクリル板 |
20x60cm2mm厚 |
265ペソ |
700円 |
アクリル板カット費用 |
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500ペソ |
1325円 |
2mm撚り線 |
33m |
1000ペソ |
2650円 |
給電部まな板 |
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79ペソ |
210円 |
液体テープ |
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230ペソ |
610円 |
タイラップ |
100本 |
312ペソ |
827円 |
SO239 M型メスコネクタ |
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48ペソ |
127円 |
ロープ 8mm |
20m |
140ペソ |
370円 |
合計 |
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2574ペソ |
6821円 |
エレメントの調整はNanoVNAを使って
10MHz単体で長さ調整
続いて18MHzのエレメントを取り付けて長さ調整を行います
最後に24MHzのエレメントを取り付けて長さ調整を行います
ファンアウトアンテナの追加エレメントは計算値より短くなる傾向が有ります |
短くなる主な理由はコレです(=電気的に“長く見える”→共振が下がる→狙い周波数へ戻すため短縮が要る): 相互結合(近接配置)
ファン・ダイポールでは並行するワイヤ同士が容量結合し、実効直径が“太い導体”相当になります。
太くなるほど共振周波数は下がる=同じ周波数に合わせるには物理長を短くする必要が出ます。 端部の容量・“キャパシティハット”効果 近くに別エレメントがあると端部容量が増え、やはり電気的に長くなります。 被覆線・樹脂部材の誘電体負荷
塩ビ/ビニル被覆線やアクリルのスプレッダに密着させると周囲のεrが上がり、波の進行が遅くなって
短縮係数(VF)< 1に。計算(裸線・孤立前提)より短くなりがちです。 給電線の共振参加(チョーク不足)
給電同軸にコモンモードが乗ると“第3のラジアル”として電気長が増え、共振が下がります。
良いチョークを入れると数十~数百 kHz動くことも。
どのくらい短くなる?(目安)実務のコツ最終設置高さ・間隔・スプレッダ位置・チョークを本番条件にしてから測定。 一番低いバンド(長い線)→次のバンド…の順に両側対称に少しずつカット。 近似:ΔL/L ≈ −Δf/f(例:目標より周波数が2%低い→全長を約2%短く)。 10 MHzなら片側7.5 mの1% ≈ 7.5 cm/片側 14 MHzなら片側5.35 mの1% ≈ 5.4 cm/片側 24.9 MHzなら片側約3.0 m(短縮線ならもっと短い)の1% ≈ 3 cm/片側(実寸に合わせて換算)
影響を減らす工夫
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エレメント・スプレッダーは 長さ30cmのアクリル板で作ってあります
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給電部はシリコーンではなく液体テープを使っています
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DU9JJYご希望のCW周波数に大体合わせています
10.188MHz SWR1.35
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18.100MHz SWR1.6
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24.900MHz SWR1.26
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組み立てたアンテナの様子ビデオ
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私のアンテナは高さ17m程の高さが有りますがDU9JJYは高さ10m程だそうです
16m高で合わせていた水平系(ファン・ダイポール)を 納品先の10 m高に下げると、
地面との容量結合が増えて 電気的に長く見えるため、
1)同調周波数は下がる(=SWRの谷が低い周波数側へ移動)
2)見かけのインピーダンスも変化(低めに寄りやすい)
3)低い高さでは高仰角成分が増え、遠距離用の低仰角は弱まりがち という影響が出ます。
結論:多くの場合、再調整(短縮)が必要です。
どのくらい下がる?地面条件や周囲の構造物で変わりますが、16 m → 10 m への低下では目安として 共振が約 1~5% 低下することがよくあります(低いバンドほど影響が出やすい)。 7 MHz(λ≈40 m):16 m=0.40λ → 10 m=0.25λ → 2~5%低下しやすい 10 MHz(λ≈30 m):0.53λ → 0.33λ → 約2~4%低下 14 MHz(λ≈21.4 m):0.75λ → 0.47λ → 約1~3%低下 18/21/24/28 MHzは影響はやや小さめだが、1~3%低下はあり得ます
調整の考え方(実務)短くする方向で追い込みます(目標周波数が高い側へ戻る)。 近似則:ΔL/L ≈ −Δf/f(3%周波数が下がったなら長さを約3%短縮)。 各バンドの“効いているエレメント”を対称に同量カット。 ファン型ではバンド間の干渉で“主役”が入れ替わることがあるため、現地の高さで測ってから少しずつ。 まず一番低いバンド(長いエレメント)から合わせ、次に上のバンドへ。 調整は給電点直下で測定(余分な給電線の影響を避ける)。同時にコモンモードチョークも入れておくと測定が安定します。
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2025年09月25日 2025年09月27日 |
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