
概要
本ドキュメントは、ST2(Fox Delta) 衛星アンテナ・トラッキングインターフェースと Yaesu G-5500 ローテータの校正手順、ならびに SatPC32 との連携設定方法を解説します。インターフェースのシリアル接続設定、端点での校正、方位(Az)/仰角(El)の倍率設定、北回り/南回りの停止方向設定、そして設定のEEPROM保存までを順を追って説明します。
シリアルポートからの校正手順(ST2 & G-5500)
例では COM1 を使用。USB-シリアル変換を使う場合は、デバイスマネージャでポート番号やボーレート確認・設定が必要です。
- 端末エミュレータで接続: 9600 bps / 8ビット / 1ストップビット / パリティなし / フロー制御なし。Windows の場合は HyperTerminal(スタート → すべてのプログラム → アクセサリ → 通信 → HyperTerminal)を使用可能。
- 通信確認: キーボードで C を入力し Enter。キーストロークのエコーはありません。大文字/小文字は区別されません(N と n は同じ)。未校正の方位値(Az)が返ります。
- ローテータを左端(反時計回り端)へ: コントロールボックスまたは前面パネルスイッチで方位を 0°(北または南、ローテータ仕様による)に移動。
- 仰角を 0° に設定。
- 左端の方位(Az=0°)を記憶: F → A → S → Enter。応答例:
Az Offset=0099
- 仰角 0° を記憶: F → E → S → Enter。応答例:
El Offset=0326
- 右端の方位へ移動: 360°最大方位の機種、および「南が反時計回り停止」の 450°機では 時計回りで 360° まで。「北が反時計回り停止」の 450°機(例: G-5500 北CCW)では 時計回りで 450° まで。
- 仰角の上限へ移動: 機種により 90° または 180°(G-5500 は 180°)。
- 右端の方位倍率を記憶:
・360°最大方位機 / 450°南CCW機: F → A → E → Enter
・450°北CCW機: F → A → F → Enter
応答例:Az mul=0.897
- 仰角倍率を記憶:
・仰角 90° の機種: F → E → N → Enter
・仰角 180° の機種: F → E → E → Enter
応答例:El mul=1.234
- 停止方向の設定:
・「南が反時計回り停止」のローテータ: F → S → Enter
・「北が反時計回り停止」(デフォルト): F → N → Enter - EEPROM へ保存: F → W → Enter
- 再起動後も有効: 電源のオン/オフやリセット後も、校正パラメータは保持されます。
SatPC32 のセットアップ
- バージョン確認/更新: 12.7 から最新(例: 12.8)に上げる場合は一旦アンインストールしてから 12.8 をインストール。登録版再インストールにはコールサインとパスワードが必要。Windows Vista 環境では 12.8 推奨。
- 旧版の削除: コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」から SatPC32 を削除。再起動後、ごみ箱を空にし、
C:\Program Files\SatPC32
に残骸がないか確認。 - SatPC32 のインストール: ダウンロードした 12.8 をインストール。
- ローテータ設定: SatPC32 を起動し、上部メニューの Setup → Rotor Setup。
インターフェースは SAEBRTrackBox を選択。Max Elevation は 90 または 180(どちらも動作報告あり)。Store → OK。 - 再起動: 設定変更を反映するため SatPC32 を一旦終了して再起動。
- EasyComm サーバ設定: 起動後、タスクバーの EComm300/160 タブを開き、Server EasyComm1 → Setup。
・COMポート: ST-2 を接続したポート(例: COM1)
・ボーレート: 9600(ST-2 側が固定)
・Pacing Delay: 10 ms
・Attach CR + LF: チェック(Attach CR は未チェック)
Save → SatPC32 を終了 → 再起動。 - 接続の実例: ST-2 は物理 RS-232 ポート、無線機は USB-RS232 変換を使用する構成でも動作報告あり。
