JI1FGX/DU9 フィリピンミンダナオ島 アマチュア無線日記 IOTA OC-130
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Raspberry Pi OSのインストール(2026/10/04)

小型のVPN用パソコンを準備する

現在はラップトップPCでVPNソフトのTailscaleを動かし、外出先のスマートフォンからJTDX自動運用リモートやSatBoxアラートにアクセスしています。構成についてはこれまでのTailscale運用の記事をご覧ください。

VPNのためにラップトップPCを常時起動しておく代わりに、小型のRaspberry Piを使うことを考えました。購入を検討したRaspberry Pi Zero 2 Wは、その時に見た販売価格が8,000ペソ(約21800円)以上だったため、今回はRaspberry Pi 3 Model Bが最低価格2400ペソ(約6360円)だったのでを導入する方針にしました。将来は音声の入出力も追加し、遠隔地から衛星通信を行うシステムに発展させる予定です。

この記事は、Windows PCでmicroSDカードにRaspberry Pi OSを書き込み、画面やキーボードを接続せずにSSHで操作するための備忘録です。2026年10月4日時点では本体をまだ購入していないため、実施したのはmicroSDカードの作成までです。後半の初回起動以降は、本体購入後に行う手順としてまとめています。Tailscaleの導入とVPNの設定は別の作業になります。

用意する物

  • インターネットに接続できるWindows PCとmicroSDカードリーダー
  • microSDカード(本記事のLite用には、更新や追加ソフトの余裕を見て32GB程度を用意すると扱いやすくなります)
  • Raspberry Pi 3 Model B本体と、同機種に適したmicro-USB電源(5.1V・2.5A級の安定した電源)
  • 接続先のWi-FiのSSID・パスワード、またはルーターにつなぐLANケーブル

microSDカードはRaspberry Piのシステム用ディスクになります。書き込み時にカード内のデータはすべて消えるので、必要なファイルは先にバックアップしてください。

15:Raspberry Pi OSの準備画面
16:Raspberry Pi OSの準備画面

1. Raspberry Pi Imagerをダウンロードする

Raspberry Pi OSはLinuxをベースにしたOSです。今回は公式の書き込みツールRaspberry Pi Imagerを使います。Windows PCでRaspberry Pi公式ソフトウェアページを開き、Windows用のImagerをダウンロードしてください。OS本体は後の書き込み工程で取得されるため、この段階で別途OSイメージをダウンロードする必要はありません。

17:Raspberry Pi OSの準備画面

2. Imagerをインストールする

ダウンロードした実行ファイルを開き、画面の案内に従ってImagerをWindows PCにインストールします。今回使用したファイル名はimager_2.0.11.1.exeです。バージョンによってファイル名や画面表示は変わることがあります。インストールが終わったらRaspberry Pi Imagerを起動します。

18:Raspberry Pi OSの準備画面
19:Raspberry Pi OSの準備画面

3. 使用する本体を選ぶ

Device(デバイス)の画面で、使用するRaspberry Pi 3を選びます。本体の機種を先に指定すると、対応するOSを選びやすくなります。別の機種を使う場合は、その機種を選んでください。

00:Raspberry Pi OSの準備画面

4. OSを選ぶ

デスクトップ画面を使いたい場合は、通常のRaspberry Pi OSを選びます。Raspberry Pi OS Fullはデスクトップに加えて推奨アプリを含む版です。今回はVPN用として使い、Windows PCからコマンドで操作するため、Raspberry Pi OS (other)を開いてLiteを選びます。

01:Raspberry Pi OSの準備画面

この例ではRaspberry Pi OS Lite (64-bit)を選びました。Liteにはデスクトップ画面がなく、文字を入力するターミナルで操作します。Pi 3 Model Bに対応しており、今回のようにモニターを接続せずに使う用途に適しています。「Lite」は機能を追加できないという意味ではなく、必要なソフトを後からインストールできます。

02:Raspberry Pi OSの準備画面

5. 書き込み先を選ぶ

microSDカードをカードリーダーに入れ、Windows PCに接続します。ストレージの画面で、そのカードを選択してください。表示される容量と名前を確認し、ほかのUSBメモリーや外付けディスクを誤って選ばないようにします。候補が分かりにくい場合は、不要な外付けストレージを取り外してから選び直します。

03:Raspberry Pi OSの準備画面

6. 起動前の設定を入力する

ホスト名

ホスト名はネットワーク上でRaspberry Piを識別する名前です。例えばhamcontrolと入力します。同じLANにある機器と重複しない名前にしてください。後半ではこの例を使い、hamcontrol.localという名前でSSH接続します。実際には自分で設定した名前に置き換えます。

04:Raspberry Pi OSの準備画面

地域・タイムゾーン・キーボード

使用する場所に合わせて地域とタイムゾーンを設定します。日本で使うならAsia/Tokyo、フィリピンで使うならAsia/Manilaが例です。キーボードは実際に接続する配列に合わせます。これらは時刻表示や本体に接続したキーボードの入力に関係する設定です。

05:Raspberry Pi OSの準備画面

ユーザー名とパスワード

ログイン用のユーザー名とパスワードを設定します。ユーザー名の例はradioです。rootは管理者用の予約名なので、通常のユーザー名として使いません。後でSSH接続するときにも、このユーザー名とパスワードを使います。

設定した内容は手元に控え、ほかのサービスで使っているものとは別の、推測されにくいパスワードにしてください。画像に表示されている値は入力例として扱い、自分の設定を入力します。

06:Raspberry Pi OSの準備画面

Wi-Fi

接続先のSSID(Wi-Fiのネットワーク名)とパスワードを入力します。ImagerがWindowsの接続情報を取り込んだ場合も、Raspberry Piを設置する場所のネットワークと一致しているか確認してください。必ず自動入力されるとは限りません。

Raspberry Pi 3 Model Bの内蔵Wi-Fiは2.4GHz用です。5GHz専用のSSIDは使えません。Wi-Fiの国設定も設置場所に合わせます。有線LANを使う場合はWi-Fi設定を省略し、初回起動時にLANケーブルを接続できます。

07:Raspberry Pi OSの準備画面

SSHを有効にする

SSHは、別のパソコンからRaspberry Piに接続してコマンドを実行する仕組みです。モニターなしで操作するため、SSHを有効にします。今回の説明ではパスワード認証を選び、前の画面で作成したユーザーでログインします。公開鍵認証を使う場合は、接続元PCの公開鍵を登録する設定を選んでください。

08:Raspberry Pi OSの準備画面

Raspberry Pi Connect

Raspberry Pi Connectは、インターネット経由でRaspberry Piを操作するための公式サービスです。今回は同じLAN内からSSHで初期設定し、その後Tailscaleを導入する予定なので、Connectは有効にせずに進みます。Connectを無効にしても、前の画面で有効にしたSSHは利用できます。

09:Raspberry Pi OSの準備画面

7. 設定を確認して書き込む

確認画面で、本体の機種、OS、書き込み先のmicroSDカード、入力した設定を確認します。問題がなければ書き込みを開始してください。OSのダウンロードからカードへの書き込みまでImagerが行います。

10:Raspberry Pi OSの準備画面

カード内のデータが消去されるという警告が表示されます。消去してよいmicroSDカードであることをもう一度確認してから続行します。書き込み中はカードを抜いたり、PCの電源を切ったりしないでください。

11:Raspberry Pi OSの準備画面

書き込み後はベリファイ(書き込まれた内容の検証)が行われます。今回の環境では、ダウンロード・書き込み・検証に合計約35分かかりました。所要時間は回線、カード、カードリーダーによって変わります。検証まで正常に完了した表示を確認し、安全に取り外してカードを抜きます。

Windowsからカードのフォーマットを求められても、フォーマットせずキャンセルしてください。書き込んだLinux用の領域をWindowsが読めないために表示される場合があります。これで起動用カードの準備は完了です。

12:Raspberry Pi OSの準備画面

8. 本体購入後:初回起動とSSH接続

ここからは本体を用意してから行う手順です。この構成での実機動作はまだ確認していません。

  1. 電源が接続されていない本体に、作成したmicroSDカードを差し込みます。有線LANを使う場合はルーターにLANケーブルをつなぎます。
  2. 最後にmicro-USB電源を接続します。電源をつなぐと起動が始まります。初回は設定処理や再起動で時間がかかる場合があるので、数分待ちます。
  3. Windows PCも同じLANにつなぎ、PowerShellまたはWindows Terminalを開いて次のコマンドを実行します。
ssh radio@hamcontrol.local

radioは設定したユーザー名、hamcontrolは設定したホスト名に置き換えます。初めて接続すると接続先の鍵を信頼するか確認されます。接続先が自分のRaspberry Piであることを確認したうえで、yesと入力します。続いて設定したパスワードを入力してください。入力中に文字や「*」が表示されないのは正常です。Enterキーで確定します。

ログイン後、ユーザー名とホスト名を含むプロンプトが表示されればSSH接続は成功です。以降、このウィンドウで入力するコマンドはRaspberry Pi側で実行されます。

接続できないとき

  • ホスト名が見つからない場合:ルーターの接続機器一覧でRaspberry PiのIPアドレスを調べ、例えばssh radio@192.168.1.50のように接続します。IPアドレスは実際の値に置き換えてください。
  • 接続がタイムアウトする場合:起動を待ち、電源、LANケーブル、Wi-FiのSSIDとパスワード、2.4GHz接続を確認します。ゲストWi-Fiなどで機器間の通信が禁止されていると接続できません。
  • 接続が拒否される場合:ImagerでSSHを有効にしたか確認します。認証に失敗する場合はユーザー名、パスワード、認証方式を確認してください。
  • Windowsでsshが見つからない場合:「オプション機能」でOpenSSHクライアントがインストールされているか確認します。

9. OSを更新して安全に終了する

ログインできたら、まずパッケージ一覧を取得し、インストール済みのソフトを更新します。次のコマンドを1行ずつ実行してください。sudoは管理者権限で実行するための指定です。

sudo apt update
sudo apt full-upgrade

更新内容と確認メッセージを読み、続行する場合は案内に従います。完了したら再起動します。

sudo reboot

再起動するとSSH接続はいったん切れます。しばらく待ってから同じSSHコマンドで接続し直します。作業を終えて電源を切るときは、次のコマンドを使います。

sudo shutdown -h now

終了処理が完了するまで待ってから電源を外します。SSHの切断直後は処理中の場合があります。書き込み中に電源を抜いたり、microSDカードを取り外したりすると、ファイルが壊れる原因になります。

今後の予定

現時点では予算の都合でRaspberry Pi 3 Model Bの購入は先送りし、しばらくはラップトップPCのTailscaleで運用します。本体購入後は、上記の起動・接続・更新を確認してからTailscaleのインストールと接続設定を進める予定です。OSを書き込んだだけではVPNは利用できません。

参考:Raspberry Pi公式:Getting started/Raspberry Pi公式:Remote access。画面は今回使用したImagerの例です。別のバージョンでは項目名や配置が異なる場合があります。

 2026年10月02日  2026年10月05日