JI1FGX/DU9 フィリピンミンダナオ島 アマチュア無線日記 IOTA OC-130
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3.5MHzSWRが上昇(2025/09/13) |
3.5MHzツエップアンテナでFT8を長時間運用しているとSWRが2.0まで上昇するという現象が起こりました。
SWR2はフェライトコアを入れる前の値です
FT8の送信の前半7秒ほどはSWR1.0、それからじわじわとSWRが上がり送信終了直前にはSWR2.0まで上昇
5分程送信を中断して再度送信すると暫くはSWR値は正常です |
FT240-43フェライトコアに触ってみると触れないほど熱くなっていました
「サチュレーション(磁気飽和, magnetic saturation)」を起こしているようです
詳しく言うと
フェライトコアに大きなRF電流が流れると、磁束密度が限界に達し、透磁率が急低下します。
さらに温度が上がると、材質によってはキュリー温度に近づいて磁性そのものを失う。
実運用では「発熱で阻止インピーダンスが下がり、チョークが効かなくなる」現象として現れます。 |
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いま(暫定運用)
給電点直下:空芯チョーク(RG8・直径30 cm×20ターン=同軸約20 m)を主役にする。
- 4 m下流:手持ちの**#43チョーク**を直列で入れる。
- 発熱するなら外す=空芯単独のほうが安全。
- ねらいは「給電点の大電流を空芯で受け、#43の負担を小さくする」。
#31が届いたら(恒久運用)
- 推奨構成(安定重視) 給電点直下=#31スタック FT240-31を2枚重ね(=スタック)+RG58で12–15ターン
- 2枚で大幅改善。3枚にするとさらに余裕(理想は2~3枚)。
- RG58でOK(差動電力は流れない/短尺)。耐熱だけ注意。
- 4–5 m下流=空芯チョーク
- 直径30 cm×16–18ターン(RG8推奨)をそのまま併用
- 二段直列で合成Zcm↑、発熱分散→SWRの“じわ上がり”抑制に効く。
「#31があれば空芯は不要?」
- エンド給電(Zepp)は同軸にコモンモード電流が乗りやすいので、#31だけより「#31+空芯の二段」が安定。
- どうしても一段にしたいなら「#31スタックのみ」でも動きますが、余裕(発熱耐性・季節変動)を考えると併用推奨。
- 併用時は、空芯20Tを16–18Tに減らして取り回しを楽にしてもOK。
具体セットアップ例(600 Wまで想定)
- 給電点直下:FT240-31 ×2(できれば×3)+RG58 12–15T
- 4–5 m下流:空芯(30 cm×16–18T, RG8)
- 20 m先のスイッチャー側は**任意の第3チョーク(ノイズ逆流対策)**として追加可。主役ではない。
製作メモ
- ターンは密巻きしない(1ターンずつ整列)/金属面やエレメントに近接・平行NG
- 屋外は防水+放熱(完全密閉は熱こもりに注意)
- 試験:FT8 15 s送信→15–30 s休止を数セット、SWRの推移とコア温度を確認。
- ボビン直径:30 cm(= 半径 15 cm)
- 1ターンの円周:π × 0.30 m ≒ 0.942 m
- ターン数:20 巻き間隔(疎巻き):10 mm = 1 cm
- ボビンの長さ(高さ方向) 20ターン × 1 cm = 20 cm
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2025年09月12日 2025年09月13日 |
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